2025年4月の日記
4月4日(金)晴れ

新年度に入って、初めての晴天。嬉しくなって、ふれ植への通勤途中、桜が満開の公園に立ち寄った。圧巻の風景。ぶわっと眼前に桃色の森が広がるような樹々と花々の連なり。ここまでくると、美しいというより凄まじい。早くも、花見をしているグループがちらほら。そういえば、花見とは、かつては米の豊作を感謝する予祝という風習から始まったそうだ。つまりは、これから田植えをする稲に対して、「こんなに豊作でありがとう!」と事前に豊作を既成事実として神様に感謝を捧げることで、豊作を現実のものにしようという、今でいえば引き寄せ的なことだったらしい。今週末は、絶好のお花見日和。もう一度、お花見に来よう。そして、なにか予祝してみよう。
4月13日(日)曇り

リニューアルオープン以来、使い方に悩み続けていたエリアがある。園に入ってすぐの右側のエリアなのだが、ここは土も浅く、2階のカフェスペースが天井部へと張り出しているので日差しも少ない。様々なタイプの植物を試験的に植えてみたのだが、この環境に合う植物はいなかった。そこで、思い切って発想を変えた。「Music of Plants」を作った時の発想法だ。
「Music of Plants」は、目で植物を見て楽しむのではなく、音で植物を楽しめないか。つまりは視覚ではなく聴覚で植物を楽しんでもらおうというアプローチだった。そこで、今回は、土で育てる植物ではなく、「水のなかの植物園」を作れないかと考えた。例えば、小さな水槽の中に、水草と小魚や海老などの生き物を放つと、水草が光合成で酸素を生み出し、その酸素を吸って生き物は暮らし、二酸化炭素を排出する。そして、また水草が光合成をして、それらの二酸化炭素を吸収して、酸素が還元される。この仕組みこそ、地球が誕生して以来、今、こうして私たちが生きている瞬間までも連綿と続いてきた光合成による生命の循環の営みなのだ。私たちは、植物がいなければ生きていくことは出来ない。そんな生命の循環の営みを表現しようと決めて、アクアリウムを導入する準備をすすめてきてきた。そうして、ようやく設置までたどり着いた。もう少しで、予定している生き物たちもすべてがやって来る。水槽の中で優雅に泳ぎ回る小魚たちを見ていると、大きな地球全体の中で、毎日あくせく必死に生きている自分たち人間と、優雅に泳ぐ小魚たちのどちらが幸せなんだろうなんてふと考え込んでしまった。