渋谷区ふれあい植物センター
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渋谷カカオが産まれました!

園内のカカオの木に小さな小さな蕾がついたのは、8月の末の頃でした。

それから毎日毎日、じっくり観察することおよそ2週間。可憐な花が咲きました。

しかも、面白いのは、カカオは幹から直接花をつけるのです。(園内にいるジャボチカバもそうですね)

そして、この小さな花から実に育っていくのですが、園内では虫を飼うこともできませんし、風も入らないので、とても細いピンセットを使ってスタッフが一輪づつ受粉をしています。

カカオは一輪の花の中におしべとめしべがある両性花。ひとつの花で受粉させても結実しないので、ある花のおしべから花粉を取り出して、別の花のめしべの先端につけてあげないとなりません。

これが取り出した花粉。本当に小さい。よく見るとハートのような形をしています。

そっと、砂粒くらいの小さな花粉を取り出して、蜂がそっとタッチするくらいの柔らかなタッチで別の花のめしべにそっと花粉をつけます。(「そっと」ってばかり書いてますね)

これであとは結実を待つだけ!なのですが、実はカカオの花の結実の確率はわずか1〜2%といわれています。めちゃくちゃ低い確率なのです。だから、カカオは1年間で3000くらいの花を咲かせて、平均すると40個くらいの実をつけます。そして、種を残して自分たちの子孫を残していくのです。なんと儚い営み。 果たして、私たちの受粉はできていたのでしょうか。ドキドキしながら待つことまたもおよそ2週間あまり。朝、カカオの気を見てみると

産まれました!赤ちゃんカカオ!

こんなに小さいのに形や形質はまさにカカオそのもの。

この中にカカオの要素がぎっしり使っているかと思うと、植物の精緻な成り立ちと神秘的とさえ思える光景に見惚れてしまいます。

カカオはアマゾン流域を原産地とし、現在のメキシコからコスタリカ北部地域にいたる地域であった古代メソアメリカでは、紀元前1900年頃にはチョコレートを飲んでいたといわれています。
つまり、カカオは少なくともおよそ4000年前近くから、こうして種と生命を紡いできたのです。
植物の生命力の逞しさを感じます。

そして、熱帯雨林のような土地ではなく、アスファルトやコンクリートで覆われた都会の象徴のような、この渋谷の土地に初めて産まれてきてくれたカカオを大切に育てていかなければというある種の責任感のようなものも感じました。

不用意に触れるだけで、ぽろっと落ちてしまうほど繊細なカカオベイビー。

いbennto大きな実に育ってくれるよう、これからも丁寧にお世話していきますので、カカオ好き、チョコレート好きな方は、ぜひとも赤ちゃんカカオに会いにきてください♪

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